真宗豆知識 真宗大谷派 西念寺  
 
お内仏の荘厳
 
下の図像は真宗のお内仏(ないぶつ・お仏壇)の原則的な荘厳(しょうごん・おかざり)で、 浄土三部経に説かれてある阿弥陀如来の西方極楽浄土のお姿を表現したものです。

お内仏の具体的なお飾りは、そのお家のお仏壇の形等によっても若干違いが出てくるのは否めません。
 例えば、(4)(5)の「法名軸」ですが、「過去帖(かこちょう)」になさっても結構です。(ただし真宗では位牌は用いません。)

私見ですが、最低限、ご本尊と燭台・土香炉・花瓶の三具足(みつぐそく)。お仏飯(ぶっぱん)を盛る仏器(ぶっき)。鈴(りん)、そして「正信偈」の載った勤行本(ごんぎょうぼん)があれば、日常の勤行(おつとめ)には事欠くことはありませんし、「お内仏」と呼んでさしつかえないと考えます。(ただし他の何を差し置いても「ご本尊」を欠かしてはなりません。)
また、ご本尊は本山(東本願寺宗務所)に申請して授与していただくことが望まれます。

お内仏の荘厳や日常の勤行、その他については
 『お内仏のお給仕と心得』(東本願寺出版部)
 真宗仏事研究会編『お内仏のお給仕 真宗門徒の仏事作法@』(法蔵館・1984)
 仏教文化研究会編・野村智剣『門徒もの知り帳 上・下』(法蔵館・1987)
等をご参照ください。

お内仏の荘厳
(1) 本   尊
(ほんぞん)
・・・ 阿弥陀如来(御絵像(ごえぞう))
本山からお受けします。
(2) 脇   掛
(わきがけ)
・・・ 右「帰命尽十方無碍光如来
(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」(十字名号)
      または親鸞聖人(しんらんしょうにん)の御影(ごえい)
(3) 脇   掛
(わきがけ)
・・・ 左「南無不可思議光如来
(なむふかしぎこうにょらい)」(九字名号)
      または蓮如上人(れんにょじょうにん)の御影(ごえい)
(4) 法 名 軸
(ほうみょうじく)
・・・ お内仏(ないぶつ)の左右の側面に掛ける。
位牌は用いない。
(5) 法 名 軸
(ほうみょうじく)
・・・ 総法名軸(合幅の法名軸)
(6) 宮   殿
(くうでん)
・・・ 須弥壇の上に阿弥陀如来を安置する仏殿。
(7) 金 灯 篭
(きんとうろう)
・・・ 本尊がよく拝めるようにあかりとして灯す。
平常は用いない。
(8) 須 弥 壇
(しゅみだん)
・・・ 本尊を安置する壇。
(9) 上   卓
(うわじょく)
・・・ 須弥壇の上に置く卓。
(10) 華   瓶
(けびょう)
・・・ 水を備える器。樒(しきみ)または青葉をさす。
(11) 火舎香炉
(かしゃごうろ)
・・・ 焼香をするもの。使用するときは、炭火を入れ、
これに沈香(じんこう)あるいは五種香(香木をけずったもの)を焼香する。
(12) 前   卓
(まえじょく)
・・・ 須弥壇の前に置く卓。
(13) 花   瓶
(かひん)
・・・ 必ず生花を用い、松や檜などを真(しん)にして、四季折々の花をさす。
(14) 土 香 炉
(どごうろ)
・・・ 毎日のお勤めの前に燃香(ねんこう)(線香をたく)する。
線香は立てずに、適当に折り横にしてたく。
(15) 鶴亀(燭台)
(つるかめ)
・・・ 平常時は朱(しゅ)の木蝋(もくろう)を立てておく。
(16) 木   蝋
(もくろう)
   
(17) 輪   灯
(りんとう)
・・・ 勤行時に点ずる。
(18) 御 文 箱
(おふみばこ)
・・・ 蓮如上人のお手紙(御文(おふみ))を収める箱。
(19) 御 経 卓
(おきょうじょく)
・・・ (和讃卓(わさんじょく))
(20) 鈴 (りん) ・・・ 勤行(ごんぎょう)の時以外は打たない。
(21) 鈴   台
(りんだい)
   
(22) 撥 (ばち) ・・・ 鈴(りん)を打つもの。勤行時以外は、鈴(りん)の中の手前におさめておく。

(東本願寺教化冊子「真宗の生活」より転載)


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